旅先で見かけた立派な巨木。神社の境内にそびえる御神木。何百年、何千年という時を生きてきたと伝えられる古木。
そんな巨樹に興味を持ったとき、ふと「近くにも大きな木があるのだろうか」「全国にはどんな巨樹があるのだろう」と思うことはありませんか。
巨樹・巨木を探す方法は、いくつもあります。
Googleで検索する、Googleマップで探す、生成AIに尋ねる、自治体の観光情報を調べる。環境省が公開する巨樹・巨木林のデータベースを利用する方法もあります。
それぞれに得意なことがあり、目的によって便利な探し方は異なります。
この記事では、さまざまな巨樹の探し方とその特徴を紹介するとともに、全国の巨樹を地図やデータから探せるWebサイト「巨樹往来」の活用方法をご案内します。
巨樹・巨木を探す、さまざまな方法
Google検索で探す
巨樹を探そうと思ったとき、まず思い浮かぶのがGoogleなどの検索エンジンでしょう。
「日本一大きな木」「京都 巨木」「樹齢1000年 杉」といったキーワードを入力すれば、関連するWebサイトや記事を見つけることができます。
特定の巨樹について調べたい場合にも便利です。樹木の名前がわかっていれば、所在地だけでなく、由来や歴史、観光情報なども見つかるでしょう。
一方、検索結果には有名な巨樹や観光地として紹介されている木が多く現れる傾向があります。名前を知らない巨樹や、あまり観光情報が発信されていない地域の巨樹を探すには、検索キーワードを工夫する必要があります。
Googleマップで探す
地図を見ながら探したい場合は、Googleマップが便利です。
「巨木」「御神木」「大楠」などの言葉で検索すると、地図上に関連する場所が表示されます。
Googleマップの強みは、場所を調べるだけでなく、写真や口コミ、現地までの経路なども確認できることです。
例えば、旅行先の近くにある巨樹を探し、写真で雰囲気を確かめてから訪問先を決める、といった使い方に適しています。
ただし、Googleマップは巨樹の専門データベースではありません。登録されていない巨樹もあり、幹周や樹高、樹齢といった情報を統一的な基準で比較することには向いていません。
生成AIに聞いてみる
ChatGPTなどの生成AIを利用する方法もあります。
例えば、次のような質問が考えられます。
- 「東京都内で電車で行きやすい巨樹を教えて」
- 「紅葉が美しい大きなイチョウの木を紹介して」
- 「歴史上の人物にゆかりのある巨樹を探したい」
生成AIの特徴は、曖昧な希望を伝えても候補を提案してもらえることです。
地域や樹種を指定するだけでなく、旅行の目的や好みに合わせて相談できるため、巨樹について詳しくない人にも利用しやすい方法といえます。
ただし、生成AIの回答には誤りや古い情報が含まれる場合があります。特に所在地やアクセス方法、現在の公開状況などは、公式情報や地図サービスで改めて確認することが大切です。
環境省の巨樹・巨木林データベースで探す
全国の巨樹を体系的に調べたい場合には、環境省の「巨樹・巨木林調査」が貴重な情報源になります。
環境省では、日本全国の巨樹・巨木林の実態を把握するための調査を実施してきました。
原則として、地上約1.3メートルの高さで幹周が3メートル以上ある樹木を調査対象としています。ただし、ツバキやマユミなど、幹周3メートル以上に育ちにくい樹種については例外も設けられています。
調査データには、樹種や所在地、幹周、樹高などの情報が記録されており、著名な巨樹だけでなく、全国各地のさまざまな巨樹を調べることができます。
観光情報や知名度に左右されず、調査記録をもとに巨樹を探せることが大きな特徴です。
一方、調査が実施された時点の情報であるため、現在の樹木の状態や周辺環境とは異なっている可能性があります。
自治体の観光情報やSNS、書籍で探す
このほかにも、巨樹を探す方法はあります。
自治体や観光協会のWebサイトでは、地域の天然記念物や名木、御神木などが紹介されています。現地へのアクセスや見学時の注意事項など、地域に密着した情報を得られることもあります。
InstagramなどのSNSでは、実際に訪問した人の写真や感想が参考になります。巨樹の大きさだけでなく、周辺の風景や季節ごとの様子に触れられるのが魅力です。
また、巨樹に関する書籍やガイドブックには、専門家や愛好家が選んだ巨樹が詳しく紹介されているものもあります。
地元の人に教えてもらったり、神社の案内板で偶然知ったりすることもあるでしょう。
こうした出会いも、巨樹探しの楽しみのひとつです。
いろいろな方法を組み合わせて巨樹を探す
ここまで紹介したように、巨樹の探し方にはそれぞれ特徴があります。
Google検索は情報を幅広く集めるのに便利です。Googleマップは場所や経路の確認に適しており、生成AIは希望に合う候補を考える手助けになります。
一方、全国の巨樹を一定の基準で調べたいなら、環境省の調査データが役立ちます。
実際に巨樹を訪ねるときには、これらを組み合わせて利用することになるでしょう。
例えば、気になる巨樹を見つけたら、その木について詳しく調べ、地図で場所を確認し、訪問できるかどうかを確かめる、といった流れです。
では、全国の巨樹を探すためのデータと地図を、ひとつの場所から利用できたらどうでしょうか。
全国の巨樹探しの入口となる「巨樹往来」
巨樹往来は、日本全国の巨樹・巨木を探し、その記録情報に触れるためのWebサイトです。
環境省が公開する巨樹・巨木林調査のデータをもとに、全国76,000件余りの記録を収録しています。
そのうち、位置情報が利用可能で、公開条件を満たすおよそ4,000件については、地図上から探すこともできます。
巨樹往来では、巨樹を探すために複数の入口を用意しています。
- 地図から探す。 どこに巨樹があるのかを地図上で確認できます。
- 条件から探す。 都道府県や樹種、幹周、名称などを手がかりに検索できます。
- 大きさから探す。 幹周を基準にしたランキングで、全国の巨樹を比較できます。
- テーマから探す。 故事や伝承のある巨樹、信仰と関わりのある巨樹など、興味のあるテーマから探せます。
一つの探し方に限定されず、さまざまな視点から巨樹を見つけられることが、巨樹往来の特徴です。
巨樹往来で、こんな探し方ができる
近くの巨樹を地図から見つける
「自宅の近くに大きな木はないだろうか」
そんなときには、巨樹往来の地図が役立ちます。
巨樹マップを開き、調べたい地域まで地図を拡大すると、位置情報が公開されている巨樹が表示されます。
有名な巨樹だけでなく、これまで名前を知らなかった木が意外な場所に見つかるかもしれません。
旅行先や帰省先など、特定の地域で巨樹を探したい場合にも便利です。
なお、地図上に表示されるのは、位置情報を公開できる巨樹に限られます。地図に表示されないからといって、その地域に巨樹が存在しないわけではありません。
地域や樹種、幹周などの条件で探す
「長野県のスギを調べたい」「大きなイチョウを探したい」といった場合には、条件検索を利用できます。
巨樹往来では、都道府県や樹種、幹周などを指定して、全国の調査記録から条件に合う巨樹を探すことができます。
例えば、同じクスノキでも地域によってどのような巨樹があるのか、あるいは特定の県にはどんな樹種の巨樹が記録されているのか、といった調べ方ができます。
知名度ではなく、樹木そのものの情報を手がかりに探せる点が特徴です。
ランキングやテーマから探す
まだ具体的に訪ねたい巨樹が決まっていない場合は、ランキングやテーマから探す方法もあります。
巨樹ランキングでは、登録されている巨樹の単木の幹周を基準に、全国の巨樹を比較できます。
例えば、鹿児島県姶良市の「蒲生の大楠」は、幹周2,422センチメートルの記録でランキングの第1位に掲載されています。
一方、巨樹の魅力は大きさだけではありません。
長い年月を生きてきた巨樹には、地域の伝説や歴史上の人物にまつわる話が残されていることがあります。また、神社の御神木として信仰の対象になってきた木もあります。
テーマから探すでは、故事・伝承や信仰など、巨樹が持つさまざまな側面から探すことができます。
大きさとは異なる視点で探してみると、思いがけない一本に出会えるかもしれません。
Googleマップで場所や周辺情報を確認する
気になる巨樹を見つけたら、次は実際に訪ねられる場所なのかを確認したくなるでしょう。
巨樹往来では、個別の巨樹の詳細ページから、所在地や幹周、樹高などの調査情報を確認できます。
位置情報のある巨樹については、Googleマップへのリンクも用意しています。
Googleマップを利用すれば、周辺の道路や施設、訪問経路などを調べることができます。写真や口コミが掲載されている場合は、現地の様子を知る手がかりにもなります。
巨樹往来で候補を探し、Googleマップなどで現地の情報を詳しく確認する。
それぞれのサービスの特徴を生かした使い方ができます。
ただし、Googleマップに表示される情報も必ずしも最新・正確とは限りません。訪問前には、必要に応じて自治体や施設管理者の案内も確認しましょう。
見つけた巨樹を、訪ねて、記録する
巨樹を探していると、いつか訪ねてみたい木が少しずつ増えていくかもしれません。
また、実際に訪れた巨樹を記録として残しておきたいと思うこともあるでしょう。
巨樹往来には、そうした巨樹との出会いを記録する「巨樹帳」という機能があります。
Googleアカウントでログインすると、気になる巨樹を「訪問したい」、実際に訪ねた巨樹を「訪問済み」として登録できます。
訪問済みの巨樹には、訪問日を記録することもできます。
巨樹帳は自分だけの記録として非公開で利用することも、公開してほかの人と共有することもできます。
また、「みんなの巨樹帳」では、公開されているほかの利用者の記録を見ることができます。
誰かの巨樹帳から、まだ知らなかった巨樹を発見することもあるかもしれません。
巨樹を探すだけでなく、訪ねた記憶を少しずつ積み重ねていく。そんな楽しみ方もできます。
巨樹を訪ねる前に知っておきたいこと
巨樹を探す際には、いくつか注意しておきたいことがあります。
まず、巨樹往来に掲載している情報は、環境省の調査データに基づくものです。調査当時から年月が経過しているため、樹木の状態や周辺環境が変わっている場合があります。
また、位置情報が公開されていない巨樹や、私有地にある巨樹も存在します。
巨樹が記録されていることと、自由に訪問できることは同じではありません。
実際に訪問する際には、現地の公開状況や立入制限を確認し、土地の所有者や管理者、地域の方々への配慮を忘れないようにしましょう。
巨樹は長い時間をかけて育ってきた、生きた樹木です。
根元への過度な踏み込みや樹皮への接触などを避け、木や周辺環境に負担をかけないことも大切です。
自分だけの巨樹を探しに行こう
巨樹・巨木を探す方法に、ひとつの正解があるわけではありません。
検索エンジンで有名な巨樹を調べるのも、地図から近くの巨樹を探すのも、生成AIにおすすめを尋ねるのも、それぞれに楽しみがあります。
そして、全国の調査記録を手がかりに探してみれば、これまで知らなかった巨樹が見つかるかもしれません。
巨樹は、有名な観光地にだけあるわけではありません。
身近な神社や山里、普段は通り過ぎる町の片隅にも、長い年月を生きてきた木が立っていることがあります。
その一本には、土地の歴史や人々の記憶が重なっているかもしれません。
巨樹往来は、そんな巨樹との出会いを広げるためのサイトです。
まずは、気になる地域を地図で眺めるところから始めてみませんか。